あばんて倶楽部 コラム

あばんて倶楽部 コラム

2015/12/07(月)どうして?自分だけは大丈夫だと思うのですか。
独居生活をしていて,いざというときの備えをしていなくて困る場面の一つは,
突然重い病気になったり大きな怪我をしたりしたときではないでしょうか。

例えば,不幸にも,あなたが道端で倒れて意識不明の状態になってしまった場合,病院は家族に連絡を取ってくれるかもしれませんが,
結婚していない事実上のパートナーや大事な友人には連絡を取ってくれないでしょう。

実際には病院がケースバイケースで判断することになりますが,緊急の場合に備えて,
家族にパートナーや親友の連絡先をあらかじめ伝えておいたり,家族以外の緊急連絡先が書かれた緊急連絡先カード(あばんて倶楽部でも発行しています)を財布や定期入れに入れておいたりすることが有効な方法です。

また,緊急の手術が必要になった場合は家族の同意書が必要になります。
自分の体調のことをよく知っているパートナーや親友に手術の同意をしてもらいたいと思っても,
家族でないという理由で同意書にサインさせてもらえないことが多いようです。

法的には,家族が手術に同意できる明確な根拠はありません。
手術を含む医療行為に同意できるのは本人だけだからです(例えば,知らない人が勝手にあなたの手術の同意をして,あなたが寝ている間に手術されてしまったら,きっと困るでしょう。
また,家族があなたの望まない手術に同意する可能性も十分考えられます)。

だからといって,病院の運用が変わるわけではありません。
日ごろから,家族に対して自分の体調のことを理解している親しい人がいることを伝えておき,
緊急時には家族とその人とが話し合える環境を整えておいたり,場合によっては任意後見契約(このホームページにも簡単な説明があります)を締結したりして備えるのが良いでしょう。

弁護士 三輪晃義
2015/10/21(水)LGBT後進国の日本でもいつか。。。
米連邦最高裁判所は6月26日に同性婚は憲法で保障された権利だとの判決を下しました。
これにより州政府の同性婚禁止は違憲となり、婚姻に関する平等が全米に適応されることになったようです。
すでに、20世紀フォックスは裁判の原告と弁護士の映画化の話も進めてるようですねぇ、微妙にお金儲けに使われるようで、
どうだかなぁ~って感じですが、かなりの苦労をされたことは確かだと思うので、実際上映されたら観に行きたいです。

この波に乗って、日本も一気に合法になってくれないかなとは思いますけど、日本は結婚の考え方が、”家に嫁ぐ”が根底にあったので
国民全体の賛成を得るには、アメリカよりも難しいでしょうね。
個人的には合法まではいかなくても問題ないんじゃないかと思ってたんですが、歳とともに老いの不安が大きくなってくると、
認めてもらわんと不便だねぇ、とは思うようになってきました。病院で危篤なっても家族とは認められず面会できなかったり、
住む家も夫婦じゃないからと問題は増えそうですしね。これだけ男女平等を掲げてるんだから、性癖でも差別しないで欲しいよね、
区別はしてもいいけど.

で、先日、同性婚人権救済弁護団と日弁連に対して、申立人として参加しました。
僕らの時代には難しいかもしれないけど、次の時代には日本でも同性婚ができるようにと、ほんの少しでも近づければと思ってます。
ちなみに、455名(うちカップル142組)もの方々が申立人と11680名分の署名が集まったそうですよ。

STAFF Y.I
2015/04/23(木)「おひとりさま」として考えること
病院に勤務する医療ソーシャルワーカー(相談員)として15年働く中で、たくさんの「おひとりさま」に出会ってきました。
 入院の時に家の権利書やら株券やら全財産を病院に持ち込まれた方、長らくの路上生活を経て倒れているところを救急搬送されてきた方、入院中に家賃の支払いが気になっていまい退院すると言い張っていた方、性別も年代も国籍も様々な方にお会いしてきました。
 長年にわたり病と付き合いながら徐々に体調が悪くなり入院される方もいれば、とてもお元気だったのに突然のご病気や事故で緊急入院した際には意識がない方もいました。
 ご本人の意識があれば、ご本人とお話しした上で、身の回りの物や貴重品を取りにご自宅にお邪魔したこともありましたが、ご本人の意識がないと、身寄りの方がいらっしゃるのかどうかを確認するだけでも数週間の時間を要してしまうようなこともありました。
 ようやく連絡の取れたご親族の方が、「20年も音信不通だったのに、いまさら私たちを頼られても・・・」などとおっしゃることだってありました。
 私自身はゲイとして生きており、結婚も子どもを持つことも選びませんでした。今後は、おそらくは両親が先に亡くなり、遠方の姉との関係は徐々に薄れていくのでしょう。さらに、その姉がなくなった場合には、誰を頼るのでしょうか。
 ゲイだと伝えていなかった誰かが、私の家に入ったり、私の代わりに荷物の整理をしたりすると、その人にとっては「とんでもないもの」を目にしてしまうことがあるやもしれません。急に意識のなくなった私の代わりに、パートナーやゲイの友だちに連絡をしてくれることは期待ができないかもしれません。
 病院という職場で出会うたくさんの「おひとりさま」に接しながら、私はいつも「将来のわたし」を想像してしまいます。そして、今の私が将来の私のためにできることは何なのか?を考えてしまいます。
公正証書や遺言書という方法で解決できそうなこと、姉の子どもや従弟の子どもたちとの関係を大事にし続けること、保険に入ることや、貯蓄をすること、色々並べてみるものの、40手前の私は「まだいいか」と思ってしまうのも正直なところです。
私が出会ってきた「おひとりさま」な方々も「まだいいか」だったのかもしれません。
 私はいつまで「まだいいか」で過ごせるでしょうか。
あばんて倶楽部に関わりながら、自分の老後について考えていきたいと思います。

医療ソーシャルワーカー 社会福祉士 岡本 学
2015/02/05(木)一人でも多くの人に安心を
30代の初めから、結婚しない自分の将来に不安を持ち始めました。
職業柄、人生の最期を迎える人の姿を沢山見てきました。
健康管理には注意していますが、年老いたらどうしても誰かの世話になるもの。
若くたって、思いがけない怪我や病気で入院することもあります。
そういう状況で、兄弟がいない人、結婚していない人が困る姿を目の当たりにしました。
もちろん、動けなくなったとき、自分の意思表示ができなくなったときの社会保障はあります。
それでも入院中、そして万が一のときにするべき個人的な身辺整理も数多いです。
今、日常生活は不自由なくとも、こんな先々の不安は私に限らず、
多くのセクシュアルマイノリティに共通する問題でしょう。
自分だけで手の回らない個人的なこと。公的機関に頼みにくいことも、
お互いの助け合って解決していく。そんな方向性に賛同します。
万が一のことを書面に残す過程で、親妹へ自分の考えを伝えるよい機会になりました。
万が一の事態は、遠い将来ではなく、いつでも誰でも起こるものです。
家族のような思いで支えあっていく安心の輪が、大きく広がって欲しいです。

あばんて倶楽部会員 まっしい
2014/05/09(金)独身男が「いちばん寂しい瞬間」
ネットで見つけた記事、【独身男が「いちばん寂しい瞬間」】が興味深かったので一部を転載して紹介します。

「独身=寂しい」は、単なるイメージなのか、それとも厳然たる事実なのか。その具体像をアンケートの回答から明らかにしていこう。
 独身男がダントツでわびしさを感じるシーンは「病気で寝込んで看病する人がいないとき」(58%)。コメントを見ると予想以上に壮絶。

「ノロウイルスにかかり、トイレで何もかも放出しているような状態でさえ、水を運んでくれる人はいない。コンビニへスポーツ飲料を買いに行けるようになったのは4日後」(41歳・メーカー)

 まさに「咳をしても一人」。奇しくも、俳人・尾崎放哉がこの句を詠んだ当時は40代・独身だったとか。健康問題は「孤独死のニュースを耳にしたとき」(36%)などと並んで、実害がはっきりしているだけに、強い不安を呼び起こす。

 わびしさを感じるシーンの2位は「一緒に旅行に行く相手がいないとき」(43%)。なにしろ「友達はみんな結婚して子供も生まれたので、一緒に出かけにくくなってしまった」(38歳・公務員)と言う人の多いこと。
 あわせて「休日に一人で行動するとき」(33.3%)も上位に。「休日に何の予定もないとき」(34%)では、「明るいうちから家にいると鬱憤がたまるので、クルマであてもなく走り回ったりと、とにかく外出するようにしている」(41歳・メーカー)などのムダなアクションを起こす人もいて、思春期的なナイーブさを感じさせる。

 孤独感は日常生活の端々にも漂う。代表例は「テレビや映画などへの感想をその場で聞いてくれる人がいない」(18.3%)。ほかには炊事洗濯などもトリガーになる。「離婚してから自分で洗濯をするように。Yシャツのシワを伸ばしつつ干していると、『すべて自分ひとりでやっていくのか』と気が遠くなる」(44歳・介護)

 なかでも食事は特にわびしさを実感するシーンらしく、「家で一人で食事をしているとき」(34%)、「コンビニ弁当など出来合いのものを食べているとき」(27%)などが挙げられた。

●35歳~45歳独身男(600人)

「独身のわびしさを感じる瞬間」ランキング

1.病気で寝込んで看病する人がいないとき 58%

2.一緒に旅行に行く相手がいないとき 43%

3.孤独死のニュースを耳にしたとき 36%

4.ファミレスやファストフードで
 家族連れの隣で一人食事をするとき 35%

5.休日に何も予定がないとき 34%

5.家で一人で食事をしているとき 34%

【週刊SPA!2013/8/20 配信】

運営KONDO
2013/07/05(金)自分の緊急連絡先カードを作ってみた!
サンプルとして自分の「緊急連絡先カード」を作ってみた。名前も写真も、かかりつけ医もいつも行く内科のクリニックを2軒記入した。緊急連絡先もちゃんと入れてある。クレジットカードサイズで財布に入れるのに丁度いい。これ、なかなかいいかも。これを持っていたら、交通事故や急病の時大切な人にちゃんと伝わるし、会社にも連絡が行く。このまま持っていたい。ずっこして財布に入れておこうかな。なんか、すごく安心感がある。こんな小さなカード一枚なのに。この存在感は大きい。きっと持った人はみんなそう思うだろう。
運営KONDO
2013/04/12(金)あばんて倶楽部が目指すもの
大阪市の単身世帯は47.4%、男性だけをとってみると実に322,877人もの人が独り暮らしの世帯だ。
男性の独り暮らしは女性のそれに比べ、タバコや酒など健康被害・死亡リスクが高い、自炊が少なく外食が多いから健康状態が悪くなりやすい。さらに、地域とのコミュニケーションを取るのが苦手、もっと悪いことにプライドが高い人が多く、他人からの助けを拒否し、民間や行政からの支援が届きにくい。
結果、孤立死は女性の2倍以上だ。とまぁ、悪いところだらけで良いところが見つからない。
一方、女性は違います。積極的に地域活動やサークルに参加し、バランスの良い食生活に心がけ、近所の女性同士助け合い、おしゃべりも兼ねて病院に出かけるといった具合だ。男性陣完敗です。
そこで!若者の独り暮らしから年老いた独り暮らしまで、独居男性の人生そのものを応援しようという倶楽部を作りました。
それが、特定非営利活動法人あばんて倶楽部です。
KONDO
2013/04/10(水)構想15年 ついに形になりました
ついに、特定非営利活動法人あばんて倶楽部の誕生です。
独り暮らしの僕らの将来を支えてくれるのは誰なんだろう。そう思ったのが、あばんて倶楽部が生まれるきっかけです。
家族が増えないなら家族に代わる人間関係を作ればいい。
おじいちゃんがいておばあちゃんがいて、お父さんお母さんがいて、子どもがいて孫がいる。
僕の思いに、一人また一人と賛同者が集まり15年。ついに形にすることができました。
支えてくれた多くの人たち、これから一緒に難題に取り組む仲間たち。これまで本当にありがとう、そして、これからもよろしくお願いします。
KONDO
2013/04/01(月)コラム欄からご挨拶
このコラム欄は、あばんて倶楽部の運営メンバーやあばんて倶楽部に助言をいただく各方面の専門家の皆さんが担当します。
運営メンバーが普段思っていることや独り暮らしについて感じていること、専門家の皆さんにはそれぞれの立場からのアドバイスなどを綴ってもらいます。
思わず笑ってしまうエピソードあり、現実を突きつけられるデーターあり、へーと驚きなるほどと頷く。
ちょっとひと息のコーヒーブレイクとしてお読みいただければ嬉しいです。
KONDO
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